ちかちゃん新報 第195回掲載記事
令和4年9月16日 ちかちゃん新報掲載記事
前々回、コレクションの体験談を書きましたが、今回もその続きをお伝えしたいと思います。パリコレクション等は、厳選されたヘアメイク・スタイリスト等が登録制になっており、その中から、それぞれのメゾンに配属される様になっています。パリ在住のヘアスタイリストさんとは、よく一緒に仕事をする事があり、私は英語が苦手なので彼の横に作業スペースを取っていました。ある時、彼の家に招待されました。一人暮らしではあるのですが、借りてるマンションの1室を貸してありました。税金が高いので、そう良い暮らしは出来ないけど、毎日が楽しいと言ってらっしゃいました。生きる自由さが心地良いのでしょうか。巻きタバコを吸ってらっしゃって、その紙にタバコを乗せて、巻いて吸われる仕草等、格好良く、お高いタバコなんだろうと思ったのですが、実は安いからこれを吸ってるとの事でした。又、イギリスに住んでいて、パリコレクションがある時に来ます、と言う女性とも、よくご一緒しました。ある時、コレクションに来てる最中に、子供のジプシーに取り囲まれ、パスポート等を取られてしまって、ショーが終わったら大使館に行くと、驚きの話しをされた事がありました。バックヤードでは色んな国からのスタッフで構成されていますが、もちろんモデルさんも含め、中にはヒジャブ(イスラム教の方が頭を覆う物)を被っているヘアスタイリスト等もいました。日本は時間がきっちりしているのですが、パリなどは結構ルーズで、平気でファッションショーの時間が遅れてしまったりします。そのために人気のモデルさんは次のメゾンのショーに入るのが遅れ、到着された時は、ヘアもメイクもそのままだったりします。それを、メイク3人、ヘア3人がかりで“後5分でショースタート”と指示され、仕上げていったりします。基本的には、モデルさん達のリハーサルの、合間・合間にヘア・メークしていくので、ゆっくり時間が過ぎていったり、てんやわんやだったりします。時にはショー終了直後に、準備されていたシャンパンで、乾杯をバックヤードでし合う事もありました。良い経験になりました。