第89回 パリコレクションについて
平成30年8月8日 ちかちゃん新報掲載記事
今回は私達グループをパリコレクションに送り込んでくれている、前回も少しふれましたプロデューサーについて、伝えたいと思います。彼は、俳優石立鉄男氏の弟、本人も役者をしていました。古い話しではありますが、黒澤明が監督を降りた映画”トラ・トラ・トラ!”の際、出演予定でしたが、それを機に引退し、ファッション業界に入ったそうです。数多くのブランドのファッションショーを担当していたようです。そのおかげがあり、私も、パリ・ミラノ・大阪コレクション等に、ヘア・メイクを担当する事となりました。あるブランドのファッションショーで、オードリーヘップバーンが出演した時があり、彼女は自分の出演の随分前に、舞台のそででスタンバイしていて、彼はショーの事で忙しく、彼女にぶつかってしまったらしいのですが、彼女の方から”ソーリー・ソーリー”と何度も謝られ、恐縮もし、彼女の素敵さに感銘したそうです。彼からは、色んな事を教えられました。パリ・ミラノにいる際には、その場所で生活が出来るという事が大事だとか、”ここに1万円のお金ががあり、一週間で生活しろと言われたらどうする?”と問われて、一万円を7で割って、3で割って、1食いくらで生活すると私は考えるのですが、彼は、”それを一度に全部使い切るという選択肢もあるよ。それで素敵なディナーを過ごし、そこから、たくさんの事を学べ、例えば、そのディナーのマナーを知る事ができる、又は役者になりたかったら、そのシーンの役をこなす事も出来るようになるぞ”と。これからの日本人、日本人らしさを大切にしつつ、柔軟な思考で世界に通用する人となることが必須ですね。