第24回 師匠にまつわるお話し
平成28年2月7日 ちかちゃん新報掲載記事
昨年は、戦後70年で戦争の話題の多い年でもありました。
実は、私の毛髪科学の、今は亡き師匠の戦後間もない、苦肉の策的驚きの思い出話しです。当時若かりし師匠は、警視庁に勤め、パーマの液の原料のチオグリコール酸を使った毛髪鑑定をやっておりました。それが美容業界へと導いたとも言えるのですが、物がなく、調味料にも事欠く時代でした。そこで、何とかしたいという使命感から、毛髪はタンパク質を多く含む事に目をつけ、それを毛髪から取り出し、合成し、醤油を作りました。それが、代用醤油です。最初は物がない時だけに売れた様ではありますが、毛髪から作ったと知れると、人はやはり引いてしまわれた様です。これは、本当に戦後、物が無かったんだという切ないエピソードであり、大豆も髪もタンパク質からできているという証でもあります。
ミエちゃんプロフィル
パリ・ミラノコレクション等のヘア・メイク担当
日本毛髪科学協会九州副支部長・一級着付け技能士・アロマテラピスト・美容技術指導講師・講演活動etc.